
HOME > 国家試験特徴と対策 出題サンプル一覧
〔問題 1〕 糖質の消化・吸収で正しいのはどれか。
1.糖質は胃で消化される。
2.消化酵素はアミラーゼである。
3.ガストリンは膵液の分泌を促進する。
4.糖質は二糖類まで分解され空腸で吸収される。
| a.【×】 | 胃からは消化酵素としてペプシンが分泌され、タンパク質を消化する。胃の運動により食物は粥状になるが、胃には糖質の消化酵素は含まれない(唾液に少量含まれるアミラーゼにより分解される可能性はある)。 |
| b.【○】 | アミラーゼは膵液に含まれる消化酵素で糖質を二糖類にまで分解する。 |
| c.【×】 | ガストリンは胃の幽門の粘膜から分泌される消化管ホルモンで、胃液の分泌を促進する。 |
| d.【×】 | 腸粘膜上皮の刷子縁にある酵素(マルターゼ・スクラーゼ・ラクターゼ)により、単糖類(グルコースなど)にまで分解されて(膜消化)吸収される。 |
1)糖質の分解と吸収

2)消化管の粘膜から分泌されるホルモンを消化管ホルモンという。特に重要なのは3つ。ガストリンは、胃の粘膜から分泌されて胃液の分泌を促進する。セクレチンは、十二指腸粘膜から分泌されて膵液の分泌を促進する。コレシストキニン(CCKと略される)は、十二指腸粘膜から分泌されて胆嚢を収縮させ、胆汁の分泌を促進する。
〔問題2〕 腎臓のはたらきと関係のないのはどれか。
1.血圧の調節
2.血糖値の調節
3.血漿pHの調節
4.血漿電解質の調節
| 1.【○】 | 利尿機能が障害されると体液量が増え、更に循環血液量が増えるため血圧が高くなる。 |
| 2.【×】 | 血糖値は膵臓から分泌されるインスリンにより調節される。 |
| 3.【○】 | 血漿のpHは腎臓から再吸収される重炭酸イオン(HCO3-)と酸(H+)の濃度により調節される。 |
| 4.【○】 | 血漿中のナトリウムやカリウムなどの電解質の濃度は、おもに尿細管の再吸収機能により調節される。 |
1)腎臓は尿を生成して、体液のホメオスタシスを維持すると共に、体内に生じた不要な物質を体外に排泄するという働きを持つ。尿は糸球体と尿細管の2段階で作られる。糸球体では、血球とタンパク質以外の成分は単純に分子の大きさだけでより分けられ、血圧で押し出されて約160?/日の原尿が濾過される。その99%は尿細管で選択的再吸収が行われる。近位尿細管では水・グルコース・アミノ酸・ビタミンなどの重要な物質の大部分が再吸収される。遠位尿細管・集合管ではホルモンの影響を受け、ナトリウムや水の再吸収が行われ、尿の組成を変化させてホメオスタシスを維持する。
2)腎臓からは、レニンというホルモンが分泌される。レニンは肝臓で作られ血液中に分泌されるアンギオテンシノーゲンをアンギオテンシンTに変える。アンギオテンシンTは、血管内皮細胞から分泌されるアンギオテンシン変換酵素(ACE)により、アンギオテンシンUに変わる。アンギオテンシンUは全身の血管を収縮させて血圧を上昇させる。アンギオテンシンUは、さらに副腎皮質にも作用して、アルドステロンの分泌を促進し、腎臓からのナトリウムイオンの再吸収を増加させる。結果として水の再吸収を促すことにより循環血液量が増加し、血圧を上昇させる。高血圧の治療にはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が使われる。

〔問題 3〕 中枢神経について正しいのはどれか。
1.大脳皮質は中心溝により前頭葉と後頭葉に分けられる。
2.間脳は左右の大脳半球をつなぐ交連線維である。
3.脳幹は延髄と脊髄とからなる。
4.小脳は脳幹の背側に位置する。
| 1.【×】 | 大脳皮質は中心溝により前頭葉と頭頂葉に分けられる。頭頂葉と後頭葉とは頭頂後頭溝により境される。 |
| 2.【×】 | 左右の大脳半球をつなぐ交連線維は脳梁である。 |
| 3.【×】 | 脳幹は中脳・橋・延髄からなる。 |
| 4.【○】 | 小脳は脳幹の背側に位置し第4脳室を間に入れる。左右の小脳半球を連絡する交連線維は橋に見られる腹側の盛り上がりを作る。 |
1)中枢神経の立体的な全体像をイメージする必要がある。脊髄から続く脳幹は、大きく茂る大脳を支える木の幹のような形をするところから脳幹の名が付けられた。脳幹に間脳を含めることもある。間脳は視床と視床下部からなり、大脳の中心を占め、第3脳室を囲む。視床とその外側にある大脳基底核とは内包により境される。大脳基底核にはレンズ核・尾状核・扁桃体の3群が区別される。尾状核は、大脳半球の中心を前頭葉から側頭葉にかけて羊の角のように丸くなって伸びる側脳室の外側壁に添って伸びる長い尻尾のような神経核である。尾状核が終わる側頭葉に扁桃体がある。

2)内包は、体性運動野である中心前回の大型神経細胞から起こった神経線維が扇のかなめのように集まり束をなして通る場所で、錐体路を形成し全身の骨格筋を支配する。おおよそ70%の脳出血が内包に起こるといわれており、脳出血の多くは対側の半身の麻痺などを起こす。
〔問題 4〕 副交感神経の緊張時の状態はどれか。
1.瞳孔の散大
2.呼吸数の増加
3.消化管の運動の促進
4.発汗の増加
| 1.【×】 | 瞳孔は縮小する。 |
| 2.【×】 | 呼吸数は減少する。 |
| 3.【○】 | 消化管の運動と消化液の分泌は促進され食物の消化が良くなる。 |
| 4.【×】 | 汗腺には副交感神経の支配はなく、発汗には影響しない。 |
1)自律神経の働き

2)自律神経は必ず節前と節後の2つの神経細胞(ニューロン)を乗り継いで支配する器官(平滑筋または分泌腺)に到達する。交感神経の節前ニューロンは胸髄と腰髄にあり、交感神経幹・腹腔神経節・上・下腸間膜神経節のいずれかで節後ニューロンに乗り換える。節前ニューロンは神経伝達物質としてアセチルコリンを、節後ニューロンは神経伝達物質としてノルアドレナリンを分泌する。副交感神経の節前ニューロンは、脳幹と仙髄に存在する。節後ニューロンへは、アウエルバッハ神経叢に代表されるように臓器の中、または近くにある神経節で乗り換える。副交感神経の神経伝達物質は、節前ニューロンも節後ニューロンもアセチルコリンである。
〔問題 5〕 細胞の活動エネルギーATPを効率的に産生する細胞小器官はどれか。
1.粗面小胞体
2.ゴルジ装置
3.ミトコンドリア
4.リソソーム(ライソソーム)
| 1.【×】 | 膜に囲まれた扁平嚢状の小胞体の表面に多数のリボソームが付着した粗面小胞体は、タンパク質を合成する細胞小器官である。 |
| 2.【×】 | ゴルジ装置は、多数の扁平嚢状の小胞体の積み重なりと、そのまわりの小球状の小胞の散在よりなる。粗面小胞体で作られたタンパク質に糖質などを付け加えて分泌顆粒を生成する。 |
| 3.【○】 | ミトコンドリアは球形?棒状の構造で、肝細胞では細胞あたり2,000個を数えるという。内膜と外膜の二重の袋からなり、内膜は内側に折れ込みクリスタ稜を形成する。内部にはクエン酸回路と電子伝達系が含まれ、グルコースを分解してATPを産生する。 |
| 4.【×】 | リソソーム(ライソソーム)は、膜に包まれた球形の小体で物質を分解する酵素(加水分解酵素)を含み、不要になった細胞の構成成分や、細胞内に取り込んだ物質を分解し、細胞内消化を行う。 |
1)細胞内には細胞機能を分担する細胞小器官と中心小体がある。3本の微小管が9組集まって短い円筒を中心子というが、それが2組集まり中心小体を形成する。中心子は細胞分裂の時に細胞の両極に移動し、染色体を引き寄せる中心となる。小胞体には粗面小胞体の他に、リボソームの付着しない滑面小胞体がある。滑面小胞体はグリコーゲンの合成、コレステロールの産生、カルシウムイオンの貯蔵、解毒作用など細胞の種類によってその働きが異なる。
2)細胞小器官には含まれないが、細胞骨格と呼ばれる線維状の構造物があり、細胞の形を保ったり、細胞が移動する運動を起こしたりする。細胞骨格を形成する線維には太さの異なる3種類の線維がある。最も細いアクチン線維は収縮タンパクである。ミオシン線維で代表される中間径線維はデスモゾームのような細胞間接着の強化に役立つと共に、筋収縮においてアクチン線維を引き寄せたりもする。太くて中空の微小管は、細胞の形を保つと共に、物質や小胞を転がして運ぶレールのような働きを有する。
