
HOME > 国家試験特徴と対策 出題サンプル一覧 > vol.08
〔問題 1〕 27歳の主婦。カレーを調理中に誤って鍋を落とし右下肢に熱傷を受けて救急車で来院した。
パンツの上からだったことから第2度真皮浅層熱傷と診断された。
この患者のアセスメントとして正しいのはどれか。
a.瘢痕を残す
b.疼痛が強い
c.水疱が形成されている
d.びらんがある
1.a、b 2. a、d 3. b、c 4. c、d
| a.【×】 | 熱傷の深さは大きく「第1度」「第2度」「第3度」に分けることができる。 この患者の第2度真皮浅層熱傷では、発赤、紅斑があり、疼痛は強く、水疱が形成される。 この水疱底には多数の基底細胞が生存しているので、上皮化がすみやかで5〜7日で水疱は乾燥して落屑し、12日で新生表皮が完成してほぼ正常の皮膚に治癒する。 第2度真皮深層熱傷ではびらんとなり瘢痕を残す。 |
| b.【○】 | |
| c.【○】 | |
| d.【×】 |
1)熱傷は、熱が加わったための損傷である。しばしば広範囲の皮膚欠損があること、
そのため感染を合併しやすいこと、全身性の変化の強いことなどが特徴である。
熱傷の臨床的重篤度は熱傷を受けた皮膚の範囲と熱傷障害の深さによって決められる。

2)熱傷面積の計算

広さ |
深さ |
|
軽 症 |
2度 |
15%未満 |
3度 |
2%未満 |
|
中等症 |
2度 |
15%以上 |
3度 |
30%未満 |
|
重 症 |
2度 |
30%以上 |
3度 |
10%以上 |
〔問題 2〕 胃の手術を受ける患者の看護について正しいのはどれか。
1.開腹手術では術前より腹式呼吸の練習を行うことが大切である。
2.腹壁緊張による疼痛を緩和し呼吸を楽にするために、術後はトレンデレンブルグ体位を基本とする。
3.体力の消耗を防ぐため、術後は排ガスを認めるまでは絶対安静を心がけるように指導する。
4.胃内吸引チューブ挿入中には、定期的にミルキングを行うことが大切である。
| 1.【×】 | 術後疼痛で腹式深呼吸法が困難な場合に備えて、術前から胸式深呼吸法の練習も取り入れることが大切である。 |
| 2.【×】 | 腹部の緊張と痛みを緩和し、呼吸や痰の喀出を少しでも楽に行えるよう、開腹術後はファウラー位(頭側をやや高くする体位)を基本とする。トレンデレンブルグ位(頭側を低くする体位)では逆である。 |
| 3.【×】 | 術後の呼吸器合併症防止と腸蠕動運動促進のため、早期離床に努めていくことが大切である。 |
| 4.【○】 | 胃管チューブの目詰まり防止と排液を促す目的で、胃管吸引チューブは定期的にミルキングする(管をしごく)ことが大切である。 |
1)上腹部開腹術後の看護については、除痛に努めながら、早期離床をはかることが大切である。
早期離床をはかることで術後の呼吸器合併症を予防するのみならず、腸蠕動を促し食事開始を
早めることができるからである。しかし、ダンピング症候群出現に注意する。
2)胃がん好発部位

3)外科的治療(手術)の種類

〔問題 3〕 放射線療法の看護について誤っているのはどれか。
1.事前に放射線療法は痛みを伴う治療法でないことを伝える。
2.治療中は清潔保持に努め、感染を予防する。
3.治療中はできるだけカロリーの低い食物を勧める。
4.水分摂取量と排泄量を観察する。
| 1.【○】 | 治療装置が特殊で大型である上に、保護上特殊な部屋で患者のみが一定期間・時間治療を受けなければならなかったり、患者自身が放射線療法とはどんなものか具体的にイメージできなかったりするので、治療について医療従事者間で統一した説明をする。 |
| 2.【○】 | 放射線療法による造血器障害のため、白血球減少がみられ感染しやすくなるので、入浴が許可されている場合は、入浴を勧め、入浴禁止の場合は清拭を行い、清潔に努める。特に外陰部や口腔内は不潔になりやすい部位であるので留意する。 |
| 3.【×】 | 放射線療法中は体力の消耗が大きいことから、高カロリー・高蛋白・高ビタミン食を摂取させる。 |
| 4.【○】 | 放射線療法の副作用として嘔吐、下痢を伴い、二次的に脱水症状を起こして、体液・電解質のバランスを崩すことがあるので、尿量、発汗状態、嘔吐・下痢の有無と程度、飲水量を観察する。 |
1)放射線療法はエックス線、γ線のような電離放射線の生物的作用を応用して行われる
非観血的局所療法であり、多くの場合、癌や肉腫などの腫瘍巣に照射し、病巣の破壊または
縮小を得ることを目的として用いられる方法の1つである。
腫瘍の原発巣および転移巣から広範に進展して全身状態の悪化を示す場合や、腫瘍組織の
放射線感受性の低い場合などは、もはや局所療法である放射線療法を用いても症状の改善、
延命などは十分に期待できないことから、放射線の適応とならない場合が多い。
2)放射線療法治療による全身障害には造血器障害のほか、全身倦怠感、悪心、嘔吐、発熱、食欲不振、
不眠、口渇、頭痛、めまい、皮膚の色が黒ずんでくる、発汗しやすいなどがある。
〔問題 4〕 肝性昏睡で適切でないのはどれか。
1.原因疾患としては、肝硬変が挙げられる。
2.原因としては、血中のアンモニア濃度の上昇が考えられる。
3.症状では、羽ばたき振戦が特徴である。
4.検査では、脳波は正常なのが特徴である。
| 1.【○】 | 肝性昏睡は、肝硬変などによる肝不全により発症する神経症状である。 |
| 2.【○】 | 発症原因としては @血中アンモニア濃度の上昇 Aγ-アミノブチル酸(GABA)の蓄積 B血中芳香族アミノ酸濃度の上昇 である。 |
| 3.【○】 | 羽ばたき振戦は肝性昏睡の特徴的な症状である。 |
| 4.【×】 | 肝性昏睡の検査では脳波の測定は重要で、三相性脳波の異常所見を呈する。 |
1)急性および慢性肝不全の多くの場合に、何らかの精神神経症状が出現することが知られている。
これは、脳に何らかの有害な物質が蓄積することによって出現するといわれているが、細部に至っては
まだはっきりしていない。現在では肝性脳症ともいわれており、必ずしも昏睡にまで至るとも限らない。
2)肝性昏睡の症状では、精神神経症状が出現するが、軽い場合は、気分情動の変調やだらしない態度が
中心である。次第に傾眠傾向が出現し、記銘力の低下に基づく見当識が消失し、お金をばらまいたり、
貴重なものを捨ててしまうなどの異常行動がみられる。この頃から羽ばたき振戦もみられるようになる。
さらに進行すると、意識レベルはどんどん下がり、最後は昏睡状態に陥る。
〔問題 5〕 22歳の全身性エリテマトーデスと診断された女性。治療により寛解状態に向かっていたが、
妊娠をきっかけに急性増悪でネフローゼ症候群をきたした。
このときの対応で適切なのはどれか。
1.家族の面会は制限する。
2.タンパク摂取を制限する。
3.皮膚清拭はしない。
4.免疫抑制剤を使用する。
| 1.【×】 | 易感染状態ではあるが、健康な家族であるならば精神的な安楽のために面会を制限する必要はない。 |
| 2.【○】 | 急性増悪でネフローゼをきたしているので、血中尿素窒素量を上昇させないようにタンパクの摂取を制限する。 |
| 3.【×】 | 関節痛、筋肉痛や皮膚に紅斑などがみられるが、皮膚清拭を行い皮膚を清潔にすることで感染予防に努める。 |
| 4.【×】 | 免疫抑制剤は、ステロイド剤の減量がむずかしいときや重篤な副作用が出たときに使用される。しかし、妊娠中に免疫抑制剤を使用すると胎児の催奇形性があるため、免疫抑制剤を使用してはいけない。 |
1) 全身性エリテマトーデス(SLE:Systemaic Lupus Erythematosus)主な症状
全身症状 |
発熱・倦怠感・体重減少 |
関節症状 |
関節痛・関節腫脹・こわばり・筋力低下など |
腎症状 |
腎障害(蛋白尿・むくみ・高血圧・ネフローゼ症候群) |
胃腸症状 |
腹痛・嘔吐・下痢・便秘 |
精神・神経症状 |
髄膜炎・視力障害・偏頭痛・麻痺・しびれ・鬱状態・興奮状態・不眠・ 不安感・神経症・錯乱・情緒不安定など |
血液 |
溶血性貧血・白血球減少・リンパ球減少・血小板減少・血清補体価低下・ 抗核抗体の出現など |
その他 |
月経障害・薬物過敏症など |
