
HOME > 国家試験特徴と対策 出題サンプル一覧 > vol.07
〔問題 1〕 易感染状態の血液疾患患者の看護について適切でないのはどれか。
1.口腔感染をおこしやすいため、綿棒による清拭、消毒薬による含嗽などによって口腔内の清潔を保つ。
2.真菌感染や痔の既往のある患者では肛門周囲膿瘍をおこしやすいため、
消毒薬による肛門浴や清拭によって肛門部の清潔を保つ。
3.無菌室へ入室となった場合、看護者は頻回に無菌室へ入室して孤立感を緩和するよう努める。
4.手洗いや含嗽を十分行って患者に面会するよう家族や面会人に指導する。
| 1.【○】 | 口腔内は細菌やかびが繁殖しやすい場所であるため、観察を密にしながら清潔を保つ必要がある。歯肉出血などの出血傾向の程度に応じて清潔にする方法を選択する。 |
| 2.【○】 | 便秘傾向のある患者では、硬便による肛門亀裂からの感染もおこりうるため、便秘に対する援助も必要となる。 |
| 3.【×】 | 無菌室とは、室内環境を無菌化することによって細菌、真菌、ウイルス感染を予防することを目的としてつくられた治療室である。入室頻度が高くなると室内に乱気流がおこり汚染の原因となるため、入室は最小限にとどめる必要がある。 |
| 4.【○】 | 易感染状態の程度によっては、マスクや予防衣を着用したり、面会を制限する必要がある。 |
1)血液疾患患者は、成熟顆粒球の減少や免疫グロブリンの産生低下などにより
易感染状態になりやすい。また、治療として行われる抗がん剤や副腎皮質ホルモン剤の投与、
放射線照射などによっても易感染状態が助長される。
2)血液疾患患者の易感染状態においては、患者自身の身体を清潔に保つとともに周辺環境を清潔に
保つ必要がある。易感染状態の程度によっては、個室への移動や面会の制限などが必要となる。
〔問題 2〕 排尿障害をおこす神経疾患について正しいのはどれか。
1.腹圧性尿失禁は男性に多くみられる。
2.溢流性尿失禁では咳をしただけで尿が漏れることがある。
3.排尿困難・尿閉は外尿道括約筋が弛緩しないことによりおこる。
4.脊髄腫瘍により排尿障害がおこることはない。
| 1.【×】 | 腹圧性尿失禁は女性に多くみられる。 |
| 2.【×】 | 腹圧性尿失禁と溢流性尿失禁の鑑別は、実際に咳をさせてみることで行うこともある。 |
| 3.【○】 | 排尿困難・尿閉は尿道括約筋が弛緩しないことによりおこる。排尿は膀胱における排尿筋の収縮と、外尿道括約筋の弛緩によりおこる。 |
| 4.【×】 | 脊髄腫瘍により索路障害がおこると脊髄が横断され、痙性対麻痺、全感覚障害、排尿排便障害が出現する。 |
1)排尿障害には膀胱に尿をためる蓄尿機能の障害と、ためた尿を排泄する排出機能の障害がある。
前者は頻尿、尿意切迫、尿失禁(切迫性・腹圧性)としてあらわれ、後者は排尿困難、尿閉、
溢流性尿失禁としてあらわれる。いずれも排尿援助、導尿など適切な処置を行うことで膀胱炎、
腎炎などの二次感染を防止する。
2)神経学的要因により排尿障害のある患者では、排便障害も伴うことが多い。
便秘の場合は程度が激しければ緊急を要し、浣腸などにより排便を試みることが必要である。
また、便失禁は清潔性を欠くだけでなく悪臭がするなど、患者本人の尊厳にかかわる問題となる。
このため適切に対応することで患者のQOLを保てるようにしなくてはならない。
〔問題 3〕 皮膚症状をおこすアレルギー疾患について誤っているのはどれか。
1.小児のアトピー性皮膚炎は自然寛解することはない。
2.薬物アレルギーの皮疹の診断にはパッチテストが有効である。
3.アレルギー性接触皮膚炎では二次感染により化膿部からの排液・発熱・圧痛・
局所のリンパ節腫脹がみられる。
4.蕁麻疹は患部を掻かないように指導する。
| 1.【×】 | アトピー性皮膚炎は思春期頃までに軽快する症例が多い。本症の多くは乳幼児期にいわゆる乳児湿疹として発症するが、幼小児期、思春期、成人期へと進むとともに異なった皮膚症状を呈するようになる。また、本症にはアトピー性疾患の合併・家族歴、血清IgE抗体の高値、特異的IgE抗体の存在が認められることが多い。 |
| 2.【○】 | 薬物アレルギーの原因となる薬物にはすべての人におこりうるものと、投与された人の素因、体質に基づいて出現するものとがある。後者は一括して薬物過敏症とよばれるが、皮膚症状があらわれるのを防ぐために、投与前にパッチテストを行い、陽性となった薬物の投与を避けるようにする。 |
| 3.【○】 | アレルギー性接触皮膚炎における一次性刺激性皮膚炎は、炎症を起こした部位にしばしば二次的な細菌感染を引きおこす。そのため感染症対策には十分配慮しなければならない。 |
| 4.【○】 | 蕁麻疹は血管周囲の肥満細胞が刺激を受けてヒスタミンなどを放出し血管の透過性が高まるためにおこる。患部を掻くと充血し、やがて境界のはっきりした扁平に高まった膨疹ができるので、掻かないように指導する。 |
1)皮膚はそれ自体が外界からの異物の侵入を防ぐ重要な免疫臓器である。
そのため皮膚には免疫細胞が多く存在し、アレルギー疾患とは密接にかかわっている。
アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎はその代表的なものである。
原因は不明なものもあるが、局所に症状があらわれた場合にはステロイド外用を、
全身症状がある場合はステロイド内服が有効な場合が多い。
2)皮膚疾患の看護は単に皮膚の炎症を取り除き、発熱・発疹を除去するにとどまらない。
皮膚症状が四肢や顔面など外界にさらされる部位にある場合は、患者は自分の見た目を気にして
精神的なダメージを負っている場合が多い。そのため患者のボディーイメージに対する
心配への心理社会的側面からの支援も必要である。
〔問題 4〕 30歳の男性。銀行員。年度末決算のため夜遅くまで非常に忙しく仕事をしていた。
深夜に仕事から帰宅しても眠れない日が続くので、ウイスキーを普段より多めに飲んでいた。
ある日、ローン返済の遅れている客の接客中に上腹部痛を自覚し、吐血したので来院し、X線、
内視鏡検査の結果、胃粘膜に異常所見があり、急性胃炎と診断された。
この患者の胃腸障害の原因として最も可能性の低いのはどれか。
1.精神的ストレス
2.身体的ストレス
3.アルコール
4.年齢
| 1.【×】 | 急性胃粘膜病変は、男性に多い。急性胃粘膜病変の原因は、精神的・身体的ストレス(ストレス潰瘍)、非ステロイド系消炎鎮痛薬・副腎皮質ステロイドなどの薬剤、アルコール・香辛料などの飲食物などがあげられている。高年齢層では加齢に伴う胃粘膜の抵抗性の減弱、あるいは各種基礎疾患の増加によるものと考えられている。 |
| 2.【×】 | |
| 3.【×】 | |
| 4.【○】 |
1)急性胃粘膜病変は、突発する胃症状を伴い、X線検査、内視鏡検査の結果胃粘膜に異常所見を
認める病変と定義されている。急性胃炎、急性潰瘍、出血性胃炎、出血性びらんを包括したものである。
2)急性胃・十二指腸粘膜病変の発生機序は、胃粘膜血流(微小循環)障害、
プロスタグランジン生合成抑制(非ステロイド系消炎鎮痛薬)、活性酵素(フリーラジカル)、
胃運動異常収縮などがあげられている。
〔問題 5〕 心臓カテーテル検査と看護について正しいのはどれか。
1.スワンガンツカテーテル法は左心カテーテル検査である。
2.左心カテーテル検査後、問題がなければ5〜6時間後に食事を開始してもよい。
3.左心カテーテル検査は静脈穿刺で行う。
4.左心カテーテル検査で中心静脈圧の測定ができる。
| 1.【×】 | ここがポイント参照。 |
| 2.【○】 | 検査前は絶食とするが、検査後5〜6時間で食事は可能である。 |
| 3.【×】 | 左室カテーテル検査は動脈穿刺による検査なので、後出血や皮下血腫防止の観点から検査後は一定時間、局所の安静が必要である。 |
| 4.【×】 | 中心静脈とは大静脈のことを指す。スワンガンツカテーテル検査によって測定する。 |
1)循環器疾患での診断のために行う心臓カテーテル検査と看護のポイント
| 右心カテーテル | 静脈を穿刺し、大静脈、右心房、右心室、肺静脈圧の測定や造影、心拍出量や 短絡量の測定を行う |
| 左心カテーテル | 動脈を穿刺し、冠動脈造影、大動脈、左心室などの造影や圧の測定を行う |
心臓カテーテル検査は、それぞれがある程度侵襲的検査であり、設備やスタッフなどの面で
施行できることが前提となる。CCUに代表される循環器スタッフは医師、看護チームとも専門性、
特殊性が要求される面があるが、看護のポイントとしては、循環器疾患を患っている患者の
内科的側面(症状、内服薬、胸部レントゲン写真、心電図)をよく理解し、かつ、検査後の患者の
心電図変化やバイタルサインに敏感でなければならない。心臓カテーテル検査は緊急検査と
なることが多いため、迅速で的確な仕事が要求される。
他方、検査後の外科的側面としては、後出血や皮下血腫、皮下感染の有無などに注意する。
2)スワンガンツカテーテルによるベッドサイドでの心臓カテーテル法について
主に急性心不全の
検査・治療に用いられるが、慢性の重症心不全でも意義が大きい。
右心カテーテル法のスワンガンツカテーテルは肺動脈にカテーテルを挿入することで、
肺血管の圧力(肺動脈圧)を直接測定でき、その結果として左室機能を評価することができる。
